替え玉事件 夫殺害容疑で尹被告を再逮捕 自宅から肉片
1月10日9時48分配信 毎日新聞
大阪市中央区の元鉄道公安官、加藤善一郎さん(当時77歳)の失跡後、加藤さんを名乗る別人2人が変死した替え玉事件で、中国人妻の尹麗娜(いんりな)被告(51)=殺人罪などで起訴=が加藤さんと暮らしていた自宅から、加藤さんの骨格筋の肉片が見つかっていたことが分かった。大阪、石川両府県警合同捜査本部は尹被告が室内で殺害し遺体を切断したとみて、9日、尹被告を殺人容疑で再逮捕した。尹容疑者は「同居していたが、殺害はありえない」と否認している。
調べでは、尹容疑者は加藤さんの財産を不正相続することを計画。01年10月30日ごろ、中央区の自宅アパートで加藤さんを殺害した疑い。尹容疑者は「加藤さんは11月10日ごろ外出後、行方不明」と供述している。
採取された骨格筋は微量で、DNA鑑定の結果、加藤さんのものと判明した。骨格筋は、骨を動かすため関節などに付いている筋肉。通常の状態で落ちていることはあり得ず、遺体を切断する際に落ちたとみられる。
尹容疑者は出先から1日数回、自宅にいる加藤さんに電話をかけていたが、殺害日とみられる10月30日だけは電話をしていなかった。翌31日、知人が運転する車で奈良市(旧奈良県月ケ瀬村)の名張川に行き、大型ボストンバッグとごみ袋を捨てていた。バッグには遺体が入っていたとみられ、11月7日には自宅の畳を交換した。
捜査本部は、肉片のほか、加藤さんの多量の血痕が自宅から見つかったことや、別人を加藤さんに仕立てて虚偽の加藤さんの死亡届を提出したことなど状況証拠を積み重ね、尹容疑者以外に容疑者はいないと判断した。
殺人事件で、今回のように自供も遺体もないまま立件に踏み切るケースは極めて少なく、同様のケースとして、02年に京都府宇治市の会社員(当時52歳)が殺害された強盗殺人事件がある。遺体は見つからず被告も否認を通したが、京都地裁が06年5月、状況証拠の積み重ねから有罪認定。大阪高裁も昨年3月、控訴を棄却して無期懲役の判決を支持した。
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